結晶格子(ゲーム)

立方格子を回し、粒子の共有と最短距離の隣を比べる。

ドパリカ

CRYSTAL LATTICE

Q. 見えている粒子を全部数える?配位数も同じ数?

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結晶格子 — 粒子数・配位数・充填率の数え方

短い答え: 単位格子の頂点の粒子は 1/81/8、面の中心は 1/21/2、内部は 1 個分として数える。実質粒子数は SC 1、BCC 2、FCC 4。配位数は一つの粒子の最も近い隣の数で、SC 6、BCC 8、FCC 12。二つは別の数を数えている。

前提と操作

初めてのステージでは、見る場所・考える手順・別の数値の例を案内する。「考え方・ヒント」から途中でも読み直せる。5問の練習は時間制限なしで、間違えても続けられる。答えと理由は自分で次へ進むまで残る。時間付きの挑戦は任意で、一問90秒以上。解説は未クリアでも読める。

高校化学の結晶の復習から、大学の無機化学・固体の入口。同じ種類・半径の粒子を置く三つの立方格子を扱う。立方体の体積、球の体積、対角線の長さを使う。

図を横になぞって回し、隠れた頂点や面の中心を見る。指を離しても判定しない。三つの答えから選び「確かめる」。矢印は答えの選択、Enter / Space は確定。自由実験では格子の種類と「単位格子/最短距離の隣」を切り替え、回転スライダーや+−で視点を変える。自由実験の矢印は 5°、Shift+矢印は 45°。

画面の球は位置を見せる模式図。球の大きさと見かけの隙間から充填率を測らず、下の接触条件と式で求める。

なぜ頂点は 1/8、面は 1/2?

単位格子は結晶を繰り返して並べる箱。頂点に集まる箱は、左右・上下・前後の 2 × 2 × 2 = 8 個。一つの粒子を 8 箱で分けるので、一箱の分は 1/8。面の中心は表と裏の 2 箱で分けるため 1/2。箱の内部の粒子は分けずに 1 個。

同じ考え方で、辺の途中の粒子は 4 箱で共有して 1/4。見えている丸の個数をそのまま足すと、境界の粒子を重複して数えてしまう。

三つの立方格子を計算する

配位数は格子の外も数える

配位数は、注目した一つの粒子から最短距離にある隣の数。箱の境界で打ち切らない。ゲームの「最短距離の隣」では、注目粒子をオレンジ、隣を青緑、最短距離を線で示す。

SC なら左右・上下・前後の 6 個。BCC の体心の粒子なら 8 頂点の粒子。FCC は同じ距離に 12 個ある。FCC の 4 個は単位格子内の実質粒子数、12 は一つの粒子のまわりの数なので、矛盾しない。

充填率は、どの方向で接するかから求める

半径 r の同じ球が接し、単位格子の一辺を a、実質粒子数を Z とすると、充填率は球の体積の合計を箱の体積で割ったもの。

η=Z (4πr3/3)a3\eta=\frac{Z\,(4\pi r^3/3)}{a^3}

SC は辺、BCC は体対角線、FCC は面対角線

SC の辺では半径が二つ並び a = 2r。BCC の体対角線では、頂点→体心→反対の頂点に半径が四つ並び 3a=4r\sqrt3a=4r。FCC の面対角線でも四つ並び 2a=4r\sqrt2a=4r。a = 2r をすべての格子に使ってはいけない。

格子実質粒子数 Z配位数a と r充填率
SC16a=2ra=2r約 52.4 %
BCC28a=4r/3a=4r/\sqrt3約 68.0 %
FCC412a=22ra=2\sqrt2r約 74.0 %

値は同じ半径の球のモデルでの体積比。FCC がこの三つの中で最も密に詰まる。結晶が液体より必ず高密度になる、という一般則ではない。

例題: 格子定数から密度へ

架空の単元素の FCC 結晶について、モル質量 M = 27.0 g/mol、格子定数 a = 0.400 nm とする。密度を求めよ。

解答: 一箱の質量 ÷ 一箱の体積

FCC なので Z = 4。一箱の質量は ZM/NAZM/N_A g。NA=6.02214076×1023 mol−1N_A=6.02214076\times10^{23}\ \mathrm{mol^{-1}}、1 nm = 10⁻⁷ cm より a = 4.00 × 10⁻⁸ cm。

ρ=ZMNAa3\rho=\frac{ZM}{N_Aa^3}

一箱の質量は 4 × 27.0 を Nₐ で割って約 1.793 × 10⁻²² g。体積は (4.00 × 10⁻⁸)³ = 6.40 × 10⁻²³ cm³。質量を体積で割ると、

ρ≈2.80 g/cm3\rho\approx2.80\ \mathrm{g/cm^3}

nm を cm に直してから三乗する。10⁻⁷ を体積にもそのまま掛けると、単位換算が誤る。

類題: 数える対象と接触方向を確認

1. 頂点に 8 個、辺の中心に 12 個、内部に 1 個の同じ粒子がある箱。実質粒子数は?(SC・BCC・FCC という名称は使わず、共有だけを数える。)

答え

8 × 1/8 + 12 × 1/4 + 1 = 5 個。辺の粒子は面の粒子と共有数が違う。

2. BCC で r = 0.130 nm のとき、a は?

答え

a=4r/3≈0.300 nma=4r/\sqrt3\approx0.300\ \mathrm{nm}。球が接するのは体対角線。

モデルと判定の範囲

単元素の立方格子を、同一半径の球として扱う。イオン結晶、複数種類の原子、HCP、欠陥、熱膨張は扱わない。たとえば CsCl の頂点と中心は異なるイオンなので、この教材の「同一粒子の BCC」と区別する。

出題は粒子数、配位数、充填率。充填率の選択肢は小数第 1 位に丸める。正しい選択肢でクリア、時間付きの挑戦は正解 PERFECT、誤答・時間切れ MISS。星や点数はゲームの記録。

参考資料

立体図と問題はドパリカで制作。周期的に並べた座標から最近接粒子を数え、幾何の式と照合した。

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つながる教材

中和滴定では、濃度・体積から物質量を数える。結晶の密度でも、個数・mol・体積を同じ単位にそろえることが大切。