点電荷とクーロン力 — 距離の2乗に反比例する力
短い答え: 二つの点電荷が及ぼし合う力の大きさは 。電荷に比例し、距離の2乗に反比例する。 距離を2倍にすると力は 1/4、電荷を4倍にすると同じ力になる距離は2倍。
前提と約束
- 前提知識: 力のつり合い(上向きの力と重さ が等しいと静止)。
- 真空中に静止した点電荷。、。
- 同符号の電荷は反発し合い、異符号は引き合う。力は二つの電荷を結ぶ直線に沿う。
- ゲームでは、机に固定した電荷 の真上のガラス管に、同符号に帯電した玉(電荷 )を入れる。高さは電荷の中心から測る。
式で納得: 浮いて止まる高さ
玉には上向きのクーロン力と、下向きの重さがはたらく。高さ での合力(上向きを正)は
ゲームのピンクの矢印が第1項、黒の矢印が第2項。 となる高さで玉は浮いて止まる。
ゲームでは電荷 をおもりの正方形(1 個 = 10 nC)、玉の質量もおもりの正方形(1 個 ≈ 0.10 g)で表す。 は と の比の平方根に比例するので、 高さの倍率は「正方形の一辺の比」になる。電荷 3×3・重さ 2×2 なら 。
止まる高さが安定な理由
- 浮く高さより低いと、距離が縮んでクーロン力が重さより大きくなり、押し上げられる。
- 高いと、クーロン力が重さより小さくなり、落ちてくる。
- どちらにずれても戻る向きに力がはたらく(上下方向には安定なつり合い)。
極限で確かめる
- : 。力 4 倍を距離 2 倍で打ち消す。
- : 。重い玉は電荷の近くでしか支えられない。
- と を同じ倍率で変えても は変わらない。
例題
机に固定した の真上で、電荷 、質量 の小球が浮いて静止している。 小球は電荷の中心から何 cm の高さにあるか。また、その高さで小球が受けるクーロン力の大きさを求めよ。
解答
。約 6.0 cm。 クーロン力は重さと等しく 。
類題
-
二つの点電荷の距離を 1/3 にすると、クーロン力は何倍になるか。
答え
9 倍。力は距離の2乗に反比例する。
-
浮いている小球の質量を 4 倍にした。同じ高さに浮かせ続けるには、下の電荷 を何倍にすればよいか。
答え
4 倍。 で を変えないなら、 は に比例させればよい。
-
質量 、電荷 の同じ小球 2 個を、長さ の軽い糸で同じ点からつるすと、 反発して糸がそれぞれ鉛直と角 をなして静止した。 を で表せ。
答え
小球間の距離は 。糸の張力を とすると、 水平 、鉛直 。割り算して 、よって 。
モデルの仮定と扱わないこと
- 点電荷のみ。電荷の大きさ・導体での電荷の偏り(静電誘導)は扱わない。
- ガラス管は横へのずれを止めるため。静電気力と重力だけでは、玉を全方向に安定して浮かせることはできない(アーンショウの定理)。 管がないと、玉は横に滑り落ちる。
- 判定: 高さは 0.5 cm のマス単位。チュートリアルは正解のマスだけ、チャレンジは 1 マス差で GREAT、3 マス差まで GOOD。
ゲームの表現について
- 玉の動きは実際の 1/5 の速さで見せている。空気の抵抗に相当する減衰を入れて、揺れが収まるようにしている。
- 背景の蛍光ペンは電場の強さ()。濃さが 1 段上がるごとに 4 倍強い。黄色の外側の境目は、おもり 1 個ぶんの玉が浮く高さに当たる。
シリーズ内の位置
静電気シリーズ: 点電荷とクーロン力(この教材) → 電場の重ね合わせ(電場がゼロになる点) → 電位と仕事。