電場がゼロになる点 — 二つの点電荷の重ね合わせ
短い答え: 同符号の点電荷 ()と ()の間で、電場がゼロになるのは
の1点。電荷が小さい方に近い側にずれる。
前提と約束
- 前提知識: クーロンの法則(点電荷の電場 、正電荷は外向き)、ベクトルの和。
- 真空中に静止した点電荷。。
- 座標: を原点、 を に置く。右向き()を電場の正とする。
- ゲームでは、試験電荷(負の小さな電荷)を二つの電荷を結ぶ軸上に置く・撃つ。点電荷の位置では電場が定義できないため、チュートリアルでは電荷から 2 cm 以内には置けない。
式で納得: なぜその位置か
電荷の間()では、 の電場は右向き、 の電場は左向き(どちらも正電荷のとき)。重ね合わせると
ミッション中の「E₁(実線)」「E₂(破線)」はこの第1項・第2項、「E(太線)」が和に対応する。 とおくと
ゲームでは電荷 を 個の電荷ブロックの正方形で表す。正方形の一辺は なので、ゼロ点は電荷の間を「一辺の比」で分ける点になる(例: 2×2 と 3×3 なら 2 : 3)。
平方根をとるとき、 なので両辺とも正の根だけを選ぶ。電場は距離の2乗に反比例するので、距離の比は電荷の比の平方根になる。電荷が4倍なら距離は2倍、9倍なら3倍。
極限で確かめる
- : (中点)。
- : 。弱い電荷のすぐそばでしか打ち消せない。
- : 。強い電荷から離れ、 に張り付く。
- を同じ倍率で変えても は変わらない(比だけで決まる)。
例題
を原点、 を に置く。電荷の間で電場がゼロになる位置と、その点で各電荷が作る電場の大きさを求めよ。
解答
より 。各電荷の電場の大きさは
、
。
大きさが等しく向きが逆なので合成はゼロ。
類題
-
、、。電荷の間で電場がゼロになる点は から何 cm か。
答え
より 。
-
両方の電荷を負( と )にすると、つり合い点はどう変わるか。
答え
変わらない(10 cm)。両方の電場の向きが反転するだけで、大きさの比は同じ。
-
、、。電場がゼロになる点は電荷の間にあるか。ないならどこか。
答え
間にはない。間では両方の電場が右向き( から離れる向きと に向かう向き)で足し合う。
外側で、絶対値の小さい の側()にある。 から
、。上のゲームの「自由」ステージで を負にして確かめられる(操作範囲外なので数値で表示)。
モデルの仮定と扱わないこと
- 静止した点電荷のみ。導体・誘電体・電荷の大きさは扱わない。
- 試験電荷は軸上のみ。同符号の二電荷の場合、平面内で電場がゼロになるのはこの1点だけ(軸外では垂直成分が打ち消されない)。
- 判定: チュートリアルは をつり合いとみなす(電荷量・距離のスケールに依らない比)。ゼロ点スナイプは 0.5 cm(異符号の広い盤面では 5 cm)のマス単位で判定する。
- 電場ゼロの点は電位ゼロの点ではない(電位は次の教材で扱う)。
ゲームの表現について
- 試験電荷が受ける力の向きと、電場の強さに比例して加速することは実際の物理どおり。ただし速さの尺度(試験電荷の質量)は見やすさのために決めた値。
- ゼロ点に置いた試験電荷が「ロック」されて止まるのは演出。負の試験電荷にとってこのゼロ点は不安定なつり合いで、実際にはわずかなずれでも動き出す。
- 「電荷ブロックを広げた正方形の粒の濃さ」は、電場の強さ (電荷の量 ÷ 距離の2乗)を目で比べるためのたとえ。