減衰振動 — 臨界減衰 c = 2√(mk) で最も速く戻る
短い答え: 運動方程式 の解は、減衰比 で 3 通りに分かれる。
は行き過ぎて振動しながら減衰、 はゆっくり戻る。
行き過ぎずに最も速く戻るのは臨界減衰 。
前提と約束
- 前提知識: 単振動、2 階線形常微分方程式、指数関数・複素数。
- ダンパーの力は速度に比例()。摩擦・ばねの質量は無視。
- ゲームの台車は 1 個 1 kg、基本のばね (周期 1 秒)。ダンパーの 1 目盛りは 。台車を 10 cm 引いて静かに放す。
式で納得: 特性方程式で 3 通りに分かれる
を代入すると、特性方程式と根は
根号の中の符号で運動が変わる。境目 、つまり が臨界減衰。、 とおく。
不足減衰(ζ < 1)
根は複素数 ()。
。0 を行き過ぎて、振幅が指数関数的に減る。
最初の行き過ぎの量は 。
臨界減衰(ζ = 1)
重根 。。行き過ぎず、最も速く 0 に近づく。
過減衰(ζ > 1)
2 つの負の実根。遅い方の根 は ζ を大きくするほど 0 に近づくので、ダンパーを強くするほど戻るのが遅くなる。
√ が効く
。台車を 4 倍重くすると臨界のダンパーは 2 倍、ばねを 9 倍かたくすると 3 倍。
ゲームの目盛りは「2 × 重さの一辺 × ばねの一辺」。
例題
質量 1.0 kg、ばね定数 の振動系に、減衰係数 のダンパーを付けた。減衰比・減衰振動の周期・最初の行き過ぎの割合を求めよ。
解答
なので 。
、周期 (減衰なしの 1 秒より長い)。
行き過ぎは 、つまり 16%。
類題
-
車輪 1 本ぶんの質量 300 kg、サスペンションのばね定数 。臨界減衰になるショックアブソーバーの減衰係数は?
答え
。
-
不足減衰で、隣り合う山の振幅の比の自然対数(対数減衰率) を ζ で表せ。
答え
1 周期 で が減るので 。
-
コイル L・抵抗 R・コンデンサ C の直列回路で、コンデンサの電荷が振動せずに最も速く放電する R は?
答え
は台車の式と同じ形(m → L、c → R、k → 1/C)。。
モデルの仮定と扱わないこと
- 速度に比例する減衰(粘性減衰)だけを扱う。速度によらない摩擦(クーロン摩擦)や空気抵抗の 2 乗則は別の式になる。
- 外から周期的に力を加える場合(強制振動・共振)は扱わない。
- 判定: 目盛りが臨界ちょうどで PERFECT、減衰比のずれ 10% 以内で GREAT、26% 以内で GOOD。
ゲームの表現について
- 「戻った」は、それ以降ずっと 0 から 10 cm の 2% 以内(緑の帯)に入ったこと。
- 長い記録は早回しで描いている。グラフの形と時間の目盛りは実際どおり。