共振 — 強制振動の振幅と固有周期
短い答え: 減衰のある振動子を角振動数 の周期的な力で揺らすと、十分時間がたったあとの振幅は
。
減衰が小さいと 固有角振動数 の近くで振幅が急に大きくなる(共振)。ブランコ(振り子)の は質量によらない。
前提と約束
- 前提知識: 単振動、減衰振動、複素数・三角関数の合成。
- ブランコは振れの小さい振り子として扱う()。空気抵抗などの減衰は速度に比例し、減衰比 。
- ゲームのロープは「n×n 目盛り」(1 目盛り )。固有周期は n 秒になる。押す力は の形で表す。
式で納得: 定常振幅と位相
振れ角 の運動方程式は
解は「減衰振動(そのうち消える)」と「押す周期で揺れる定常解」の和。定常解を (複素数 とおくと楽)として代入すると
共振の特徴
- で 。減衰が小さいほど高い山。厳密な最大は (減衰が小さければ ω₀ とほぼ同じ)。
- 位相の遅れ φ は、ゆっくり押すと 0、共振で 90°、速く押すと 180° に近づく。共振では「速さが最大の瞬間に押している」ので、毎回エネルギーを足し込める。
- 山の鋭さは Q 値 。振幅が山の になる幅は 。ゲームのブランコは 。
ずれるとうなる
静止から押し始めると、最初は減衰振動()と定常解()が重なる。少しずれた周期では、2 つが強め合ったり打ち消したりして、
振幅が周期 で大きくなったり小さくなったりする(うなり)。記録紙のふくらんだりしぼんだりする波がそれ。
減衰があると最初の振動は時間とともに消えるので、うなりも次第に弱まる(ゲームの記録ではうなりの一部だけが見える)。
振り子の周期は質量によらない
の両辺の が消えるので、。大人が乗っても子どもが乗っても同じリズムで押せばよい。
例題
長さ 1.0 m のブランコを、何秒ごとに押せば共振するか。また、減衰比 0.03 のとき Q 値と、振幅が山の 1/√2 になる周期の幅はおよそいくらか。
解答
。。
なので、周期で見ても約 6%(2.0 秒の前後 ±0.06 秒ほど)の幅。
類題
-
固有周期 2.0 秒のブランコを 2.2 秒ごとに押し始めた。うなりの周期はおよそ何秒か。
答え
、うなりの周期 (減衰を無視した場合。減衰があると、うなりは数周期のうちに弱まる)。
-
コイル 10 mH とコンデンサ 1.0 μF の直列回路に交流電圧を加える。電流が最大になる周波数は?
答え
。ばね振り子と同じ形の式(L が質量、1/C がばね定数)。
-
Q 値を 2 倍にすると(減衰を半分にすると)、共振の山の高さと幅はどう変わるか。
答え
高さ は 2 倍、幅 は半分。鋭く高い山になる。
モデルの仮定と扱わないこと
- 振れが小さい場合だけ(大きな振れでは周期が長くなり、共振の周期もずれる)。
- 実際のブランコ押しは一瞬の「ひと押し」だが、ここでは滑らかな周期的な力()で表す。ひと押しを 2 回に 1 回にしても揺らせる、といった効果は扱わない。
- 判定: 押す周期と固有周期の差が 1% 以内で PERFECT、4% 以内で GREAT、8% 以内で GOOD。
ゲームの表現について
- 記録は固有周期の 8 回ぶん。長い記録は早回しで描く。旗の高さは共振したときの揺れの 70%。
- ロープの絵は長いものほど長く描くが、画面に収めるため長さの比は正確ではない。ロープの刻み(n×n 個)と数字で実際の長さを示す。