ガウスの法則 — 球・直線・平面の電場を閉曲面で求める
短い答え: 任意の閉曲面 について 。
対称性のある分布では、 が一定になる面を選べば (中の電荷 ÷ 面積)。
一様な球の外は 、中は 、無限直線は 、無限平面は一定。
前提と約束
- 前提知識: クーロンの法則、電場の重ね合わせ、面積分・体積の計算、ベクトルの内積。
- 真空中の静電場。、。
- ゲームの球・球殻の半径は 4 cm。電場は「中の電荷 ÷ 面積」の比で表し、 などの定数は省く。
式で納得: 対称性で積分を消す
ガウスの法則そのものは、どんな閉曲面でも成り立つ。使えるのは、面上で E の大きさが一定で、向きが面に垂直になる面を選べるときだけ。
そのとき面積分は になり、
ゲームの「中の電荷 ÷ 面積」は、この式そのもの。電束(電場線の本数)は中の電荷で決まり、それが面積に広がって薄まった濃さが電場になる。
一様に帯電した球(全電荷 、半径 )
- 外(): 同心球面で 、。点電荷と同じ。
- 中(): 囲む電荷は体積比で 。、。中心で 0、表面で最大。
帯電した球殻
中の同心球面は電荷を囲まないので 。外は点電荷と同じ。
無限に長い直線(線密度 )
同軸の円柱(半径 、長さ )をとる。上下のふたは電場と平行で電束 0、側面だけが効く。
、。
無限に広い平面(面密度 )
平面を貫く箱(底面積 )をとる。上下の面だけが効き 、。距離によらない。
微分形との関係
ガウスの発散定理 を使うと、
どんな体積でも成り立つことから (マクスウェル方程式の 1 つ)。
一様な球の中で とすると、確かに 。
例題
全電荷 が半径 4.0 cm の球に一様に分布している。中心から 2.0 cm、4.0 cm、8.0 cm の点の電場の大きさを求めよ。
解答
表面: 。
2.0 cm(中): なので表面の 1/2、約 。
8.0 cm(外): なので表面の 1/4、約 。
類題
-
線密度 の無限に長い直線から 5.0 cm の点の電場は?
答え
。
-
面密度 と の無限平面を平行に置いた(平行板コンデンサ)。板の間と外の電場は?
答え
1 枚ずつの電場 を重ね合わせる。間では同じ向きで足されて 、外では打ち消して 0。
-
半径 の導体球に電荷 を与えた。球の中と外の電場は? 一様に帯電した球との違いは?
答え
導体の電荷は表面に集まる(球殻と同じ)。中は 、外は 。
一様な球では中に の電場があるが、導体では 0。外は同じ。
モデルの仮定と扱わないこと
- 無限に長い直線・無限に広い平面は理想化。有限の長さ・大きさでは、端から遠い所でだけ近似として成り立つ。
- ガウスの法則は常に成り立つが、対称性がない分布(たとえば有限の長さの棒)では、それだけで E は求まらない。
- 判定: 半径は 0.5 cm のマス単位。答えがマスの上にないとき(√2 × 4 ≈ 5.7 cm など)は、いちばん近いマスを正解にする。
ゲームの表現について
- 盤面は断面の 1/4 で、ガウス面は実際には閉じた球面(直線では円柱)。
-
断面図の電場線の本数は、平面上では円周()に広がるので 1/r で薄まって見える。
実際の点電荷は球面()に広がるので 1/r²。絵の線の濃さで点電荷の電場を読まないこと。
- 背景の蛍光ペンは電場の強さの段(2.5 倍ごと)。